ブラック対応の街金融

俺には夢がある。いつか自分の劇団を立ち上げて、東京で公演することだ。
と、言っても今は俺と俺の恋人がいるだけで、他には誰もいないけれど・・・。
でも、新聞に公告を出したり、雑誌にメンバー募集をかけたりして頑張ってはいるんだ。
彼女だって俺についてきてくれるし、いつかでっかい旗揚げしようって二人で誓ったんだ。

それにしても、こうやって公民館を貸し切って舞台の練習をするにもお金がかかる。
なんたって練習が忙しくて俺たちは働いてないからな。ちゃんとした舞台をやりたいなら、働きになんか出ないでしっかり練習すべきだろう。
それが俺のポリシーだ。今までの団員はそこが違ってみんな辞めていったけどな。

俺は借金があって、こうやって借りたはいいけど返せない状態になっている、どうやらブラックリストに載っているらしくて普通の所じゃもう借りれなくなった。
それでもブラック対応の街金融へ行って、こうやって夢のために金を借りてる。
みんななんで分かってくれないんだろう那珂、この方法こそが、舞台への近道だとおもうんだけどなあ・・・。